
「情けは人の為ならず」
という諺(ことわざ)を聞いたことある人も多いと思います。これ
「他人に情けを掛けることはその人のためにならない。だから良くないことなんだ」
という悪い意味のことわざとして解釈してませんか?実は僕、25歳ごろまでそう解釈してたんですが、コレが大きな大間違い。
今回は自分の勉強のため、そんな誤用しやすい慣用句や故事ことわざをまとめてみます。(言葉の意味を間違えやすいもののみ集めました)
ブログを書いてる方やライターを目指す方は特に要注意。
読み飛ばせるもくじ
「情けは人の為ならず」の正しい意味と世の中の理解度
まず正しい意味の解説から。
「他人に情けを掛けることは回り回って自分に返ってくる。つまり、自分のためになる。だから人には親切にしよう」
これが本来の意味なんです。とても良い意味のことわざなんですよね。昔の解釈がまるっきり逆すぎて、使ってた自分が恥ずかしい…
でもこれ、結構勘違いしてる人が多いそうですよ。
文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」と、「人に情けを掛けて助けてやることは、結局はその人のためにならない」の、どちらの意味だと思うかを尋ねたところ、次のような結果が出た。
文化庁のデータ(平成22年度調査)を元にグラフ化
ほぼ半々という結果。これはかなりの確率で誤解・誤用されてると思われます。理解してもらってるつもりで使うと、誤解を招きかねませんね。
それでは、その他の”意味を間違えやすい”慣用句や故事ことわざをピックアップしてみます。
役不足(やくぶそく)

「カカロット、ヤツの相手は貴様では役不足だ。俺様が行く!」
と、ドラゴンボールでベジータが言いそうですね。(実際に言ったことあるかは不明)
この場合、表現の意味としては「役不足=力不足」と置き換えられますが、じつはこれが大間違い。
正しくは
・力量に比べて、役目が不相応に軽いこと(出典:https://kotobank.jp/)
という意味。つまり、役に比べ実力が有りすぎるから不適当である、ということなんです。イチローがその辺の草野球に参加するのは役不足、という感じ。
敷居が高い(しきいがたかい)

「あの料亭は歴史もあって高級。だから僕みたいな若造には敷居が高いよ」
なんて使い方は間違っています。不相応、手が届かないという意味ではなく
・不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい(出典:https://kotobank.jp/)
という意味なんです。ワケありってことですね。
仕事が煮詰まる(しごとがにつまる)

「プレゼン資料作ってるんだけど、いいアイデアが出なくてさ。仕事が煮詰まったから休憩中〜」
そんなことを言いながら、喫煙所でタバコをふかしている人もいるかもしれません。しかしこれも間違い。うまく進まず停滞している状態ではなく、
・十分に議論・相談などをして、結論が出る状態になる(出典:https://dictionary.goo.ne.jp/)
という意味。煮魚で言えばしっかり煮詰まって(煮終わって)出来上がってる状態ですね。仕事がうまくいかない進まない時は「行き詰まる」という表現が正しいです。
話のさわり(はなしのさわり)

「今日は時間がなくてさ、話のさわりだけ聞いたんだけど…」
と、説明などの冒頭部分のコトを「さわり」と表現してませんか?…実は僕は冒頭の意味で理解してました。でもこれがまたもや大間違い。
さわりとは出だしの部分、冒頭の部分ではなく
・中心となる見どころ・聞きどころ。また、話や文章などで最も感動的、印象的な部分(出典:https://kotobank.jp/)
音楽で言えばイントロではなくサビのことなんです。
檄を飛ばす(げきをとばす)

「今日の試合で『もっと頑張れ!!!』とコーチが大声で檄を飛ばしてたんだ」
と、激励するような意味合いで使いますよね。落ち込んでる人なんかに「頑張れ!!」と力強くエールを送るイメージ。でもこれも間違いだそうです。(僕も誤解してました)
・自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める
というのが正しい意味だそうですが…、正直どのように使うのかピンときません。
誤用が定着して「がんばれと励ます」「激励する文書を送る」という意味でも用いられる。文化庁が発表した平成19年度「国語に関する世論調査」では、「自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」で使う人が19.3パーセント、「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」で使う人が72.9パーセントという結果が出ている。
とのことで、もはや誤用が正しい意味になっているようですね。
馬子にも衣装(まごにもいしょう)

「七五三の写真みたわよ〜、かわいいねぇ。ほんと、孫にも衣装ね♪」
と言ってしまうバアバやジイジが多いんじゃないでしょうか。これ、そもそも「まご」は孫じゃなくて馬子と書くんですね。知りませんでした…^^;
・どんな人間でも身なりを整えれば立派に見えることのたとえ
「馬子」とは、駄馬に荷物や人を乗せて運ぶことを職業とした人で、馬子のような身分の低い人でも羽織袴を着れば、立派に見えることから。
立派に見える、という意味では似てますが子供(孫)にだけ当てはまる言葉ではないんですね。
閑話休題(かんわきゅうだい)

「…と、ちょっと難しい話ばかりだったので、ここで閑話休題。」
と、ちょっとしたブレイクタイム的な使い方をしている場合がありますが、これも間違いです。正しい意味は
・余談をやめて、話を本題に戻すときに接続詞的に用いる語(出典:https://kotobank.jp)
話がそれてしまった時に本題へ戻すための表現です。
もしブログやホームページなどで、雑談を書くコラムコーナーのタイトルを「閑話休題」にしている場合は早急に修正しましょう。
まとめ
今回は意味を誤解しやすいものをピックアップしてみました。ほとんどが真逆の解釈だったりして、調べながら僕もドキッとしました。
▼今一度、慣用句やことわざを学び直そうと思うのでコレ買ってみます(齋藤孝さんの本なら間違いなさそう)
ただ、学びなおすのは良いとして、半数以上の人が誤用の方を「正しい」と思っているものもあるので、むやみにことわざや慣用句は使わないほうがいいですね。ブログは賢さアピールよりわかり易さのほうが大切ですから。
このほかに「てにをは」を間違えしまう慣用句やことわざも多数あるので、近いうちにまとめてみたいと思います。
他にも意味を間違えやすい慣用句やことわざがあればTwitterなどで教えてください!
※なるほど!と思えたらシェアしてもらえると嬉しすぎます