
10年前に兄からもらったアドバイス
今から10年前、24歳の僕はフリーターをしていました。
山口県の田舎から大阪に出てきて、18歳で1人暮らしスタート&就職し、わずか1年で逃げるように仕事をやめフリーターになり、そこからおよそ5年間フリーター生活。
(もちろん仕送りはもらわず)身寄りのない土地でのバイト生活で家賃や携帯代を払いながらの貧乏生活でしたが、自分の興味がある仕事をしてたのでなんだかんだ楽しかったです。ラブホの清掃とか夜中のガソリンスタンドとか、古着屋の店長とか。
でも25歳を前に悩んでたんですよね、「将来大丈夫かオレ?このままフリーターなのか…?」って。そんなとき、10歳年上の兄が珍しく飯に誘ってくれました。
読み飛ばせるもくじ
東京に住む兄が「お前、これからどうすんの?」と飯に誘ってくれた
10歳上の兄は大のゲーム好きで卒業文集に「ゲームプログラマーになる!」なんて書くような人。
部活とゲームばかりしてた印象なんですが、地元でもトップの進学校に通い大学院まで進み、大手ゲーム会社に就職。見事ゲームプログラマーになりました。(その後、独立してフリーランスで稼ぎまくってる模様)
そんな秀才な兄に比べ、僕は学業も運動も下から数えたほうが早いようなタイプ。兄はそんな僕のことを大人になってからも気にかけてくれてました。
古着屋でバイト店長をしてる僕に
「お前、これから将来どうすんの?古着屋を自分でやるの?そんなんで飯食えるの?」
と兄から連絡があり、大阪に行くから飯でも行こう、と言われました。
ステップアップを重ねる兄の話を聞く

兄はわりと自由というか、柔軟な物の見方が出来るタイプ。悪く言えば会社組織にとどまり順応するのが難しいタイプだったようで、2年刻みくらいで会社を転々としてました。ただ、僕が興味がおもむくままにバイト先を変えるのとは違い、ヘッドハンティングされ年収が増えていく、ステップアップタイプ。
そんな兄は当時、モバイルゲームのベンチャーに「喋れるエンジニア」としてジョインし、企画やプロデュース業をメインにおこなってたようです。ストックオプションをもらってたその会社が上場し、結構な額のお金をもらったと聞いて僕は
「金くれ〜!!!!!」
って心で思いながら、羨ましそうな顔をしながらこらえてました。笑
「好きなことするのはいいけど、もうちょっとちゃんと考えた方がいいと思うよ」
そんな兄から
「好きなことを仕事にするのはいいこと。オレもそうだし。ただ、どうやって立ち回るかとか、将来性とか、そういう部分をちゃんと考えたほうがいいよ」
と、違和感たっぷりな関東弁で言われました。
古着は好きだけど将来性に疑問符しかなかった当時の僕

「古着屋で3年働いてるし、お店は社員雇用してくれない。だから自分もお店を持つべきなのかな…」
という漠然とした考えがありました。
でも正直なところ、お店の売れ行きなどを見ていて、とてもうまくやっていける自信がなかったし、そもそも古着のセレクトショップに限界を感じてました。(ファストファッションや、セカンドストリートなどのリサイクル系が台頭し始めてた頃でした)
パソコンとインターネットが好きだった

マウス掃除、好きだったなぁ
僕はパソコンとネットが大好きで、高校生の時から独学でホームページを作ったりしてました。その経験が元で、古着屋さんでは接客のかたわら、ネットショップを構築しSEOを勉強しつつ実際に通販で利益を出してました。
古着屋でネットショップを始めた2005年頃、ホリエモンの球団買収やテレビ局買収などのニュースが度々ある時代。そのころから
「ネットを使ったビジネスって面白そうだな。稼げそうだな」
なんて思ってたんです。兄にその話をすると
「いいじゃん、ネットはこれからさらにアツいよ。オレもモバイルゲーム作ってるけど、まだまだ伸びる。ただ…」
「稼げそうって理由はやめとけ」
「稼げそう、っていう理由でネットの世界を目指すのはやめとけ。そういう目標設定でうまくいくわけ無いわ」
と、切り捨てられました。オーマイガ!!あんたさっきめっちゃ稼いでるって言うたやん!!とか思ってると
「お金貯めるより知識を貯めろ。そのためには本を買って読め。金なんてそのうち稼げるから」
と言われました。
「稼げそうだから、という表面的な理由で始めると好きな気持ちなんてすぐに萎える。そんなダサい理由で行動するな。知識を蓄えて、その知識を使って人の役に立とうとか楽しませようって努力すればそのうち稼げるから」
そんな風にアドバイスされ「何、その発想!!」と衝撃をうけました。
当時の僕は文字通り「マンガ以外まともに本なんか読んだこと無い人間」だったので、半分くらいしか意味がわからなかったんです。(マンガ以外で読むのはファッション誌とホームページ作成やSEOの指南書数冊くらい)
「この本読めばたぶんオレが言ってる意味わかるよ」と本をすすめられ…

そう答えました。その時に進められたのがデール・カーネギーの「道は開ける」「人を動かす」の2冊。
僕が貧乏生活をしているのはもちろん兄も知っているので
「ほら、これオレからの餞別。このお金で本買えよ」
とお金をくれるのかな〜なんて思ったら…
「有名な本だからたいていどこでも売ってるよ。明日買いに行けよ」
と、指示のみくれました。笑
お金が無い、なんて言い訳せず自分のお金で買うことの大切さ
行動力だけはある僕だったので、翌日の仕事終わりに本屋さんにGO。コミック感覚で一冊600円くらいかな〜なんて思ってたんですが、そんなわけありませんでした。
2冊あわせて3,100円+税!!!!まじか〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!5日分くらいの食費やん!!!!!
と度肝を抜かれました(当時の僕は超自炊してたんです)
レジで5,000円札を出す時に手が震えました、本当に震えましたよ。

これが当時買った本(何度も読んだな〜)
今にしても思えば、あの時がまさに転機。自分の身銭を切って買ったからこそ、どんなに読み進むのが遅くても読み切りましたし、すごく感動しながら読んだのを今でも覚えています。
まとめ

どちらの本もとても良かったんですが、特に「道は開ける」が僕にとっての人生の分岐点となる一冊。この本がきっかけで読書をする楽しみを覚えたし、行動することの大切さ、社会に出てからの学びの大切さを実感しました。
お金を稼いだり貯めることにばかり執着せず、「知識を蓄え磨くための自己投資」として読書するようになったのは、本当に今に活きてます。
実際、その後はWeb制作会社になんとか再就職し、子会社で社長を任せてもらうなんてことにもなりました。
その後は28歳で独立し、今は再び正念場。思えば当時の僕にアドバイスしてくれた兄は、今の僕と同じ34歳。気を引き締め直し、人の役に立てることを考えていきたいなぁと思ってます。
【最後に】デール・カーネギー「道は開ける」で一番好きな一節をご紹介
皆さんも私も、この一瞬に永遠不滅な二つのものが出会う場所に立っている。
無限のかなたからつづいている膨大な過去と、すでに刻まれた時の末端に突き刺さているに等しい未来との境目にいるわけだ。
たぶん私たちは、この永遠不滅なもののどちらでも生きることは許されない。−−たとえほんの一瞬たりとも。
その不可能なことをしようとすれば、私たちの肉体も精神も、ともに破滅するだけだ。
だから私たちは自分が生きられる時間、言いかえると、今から就寝までの時間を生きるだけで満足しようではないか。