

来年度(2018年)の税制改正案が出てますが、その中で
- 高所得会社員への増税
- 自営業者・フリーランスは減税
という案が出ています。自営業生まれ自営業育ちの個人事業主フリーランスとして、このあたりについてちょっと取り上げてみます。
※控除(こうじょ)って言葉が出てきて読む気失せるかもしれませんが、控除=割引くらいに思いながら読んで下さい
読み飛ばせるもくじ
【ニュース】高所得会社員に増税検討 フリーランスや自営業は減税へ
年収800万から900万円を上回る高所得の会社員について、政府が所得税増税の検討に入ったことが分かりました。
政府は22日から来年度の税制改正に向けて本格的な議論を始めますが、必要経費とみなして年収に応じて所得から引かれる給与所得控除を見直し、高所得の会社員に増税する検討に入ります。一方で、低所得の会社員や保険のセールスレディー、フリーランスなど請負契約で働く人は減税し、子育て世帯もできるだけ増税にならない仕組みを考えることにしています。
出典:テレ朝NEWS
ここでポイントになるのは、高所得者じゃなくて高所得会社員、という部分ですよね。
【なぜ?】高所得会社員は増税?それは基礎控除とサラリーマンの給与所得控除が関係してます
かなりざっくり書きますが、所得税って
(所得 – 各種控除) × 税率
という計算式で算出されます。ここでは控除っていうのは割引みたいなもんだと思って下さい。同じ所得の人が居た場合、ここの控除額が大きいほど所得税が安くなります。
各種控除の中には配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除などなど、いろいろとあるんです。
そして今回問題になるのが基礎控除と給与所得控除。
基礎控除って何?
基礎控除っていうのは、全員に一律で適応されるものです。これは自営業者も会社員もパートもバイトも一律に、所得税の基礎控除額は38万円とされています。
給与所得控除って何?
これは給与所得者、つまり会社員やパート・アルバイトの人にだけ適応されるものです。自営業者には適応されません。
サラリーマンのための必要経費、って言われたりします。(スーツ買ったりする経費)
金額は一律ではなく、給与に応じて変動します。

出典:国税庁HPより
表の通り、最低でも65万円控除されるんです。
38万円の基礎控除+給与所得控除の65万円を足すと103万円になります。パートの主婦なんかが103万円以内で働きたい理由は全額控除、つまり無課税だからなんです。
【理由】基礎控除を大きくし、高所得会社員の給与所得控除を減らそう、という動き
今回の法改正は
- 基礎控除を拡大(38万円→50万円に引き上げ)
- 800万円を超える高所得会社員の給与所得控除額を引き下げ(実質の増税)
という案が出ています。(800万円を超える場合でも子供がいる世帯は増税しない)
狙いの1つとして、近年増えているクラウドソーシングなどを使ったフリーランスという働き方に対応する、という側面もあるそうです。(もともとの自営業者も含め)給与所得ではない形で報酬を得る人もふえており、
「会社員やパート・アルバイトの人だけ給与所得控除で65万円も控除されるのは不公平だ!」
という点の改善したいそうです。(このあたりの個人的な意見は最後に書きます)
以上のようなことから、高所得な会社員は実質増税となり、自営業者やフリーランスは基礎控除拡大の恩恵を受け、減税となる、という話。
影響が出る範囲
みなさん、自分は損をするのか?ってことが気になるかと思うんですが、今回の改正案が採用された場合、影響(増税)が及ぶのは800万円以上の高所得会社員で、なおかつ子供のいない世帯になります。それ以外の人は「なんか所得税すこし安い気がする、ラッキー」くらいなレベルかな〜と勝手に思ってます。
あと、高所得な自営業者にはどういう影響があるのか、調べてもここがイマイチわかりませんでした。ごめんなさい。
まとめ
フリーランスや自営業は得をすることになるかもしれません。しかし、自営業者の平均年収は400万円以下と言われていますから、そもそも稼ぐこと自体が難しい。(手取り額は300万円以下)
もちろん、ウマイことやってるフリーランスや自営業者は経費などを使い「書類上は年収低いけど裕福な暮らし」をしてたりします。そういう意味では「給与所得控除の65万円はずるい!」って一概に言えないよなぁってのが僕の考え。うまく稼いでる自営業者はもっと大きな額を経費としてたりしますし。(脱税はダメよ)
まだこの法改正が通るかわかりませんが、自営業者として注目しておきます。
読んで損はない、っていうか個人事業主は読まないと損するかも…