
僕は20代の前半、服屋さんで店長をしてました。と言っても、個人事業主のオーナーが営む小さな自営業の古着屋さん。そこでアルバイト店長をしてたんです。
高校生の時から古着が好きだった僕は、なんだかんだ毎日楽しく過ごしてました。そんな日々の中で、集客が思うように行かず苦労し試行錯誤したのは今の仕事(←小さなお店や会社のウェブ集客のお手伝いをするウェブ屋)の原体験だったりします。
読み飛ばせるもくじ
駅から徒歩15分という立地の古着屋
大阪アメリカ村にある古着屋さんが2号店として郊外にお店を出す、というタイミングで僕は雇ってもらいました。
アルバイトながらに店長という待遇だったんですが、実際は僕1人が店に立つだけで、仕入れに行くわけでもない、ただの店員(店番)でした。笑
その古着屋さんは駅から徒歩15分は離れた、完全な住宅街の中にポツンとありました。小さな工場を改造した、ガレージ風のお店。商品はすべてオーナーがアメリカで買い付けてきたもので、主なお客さんは近所の若者や40歳前後の男性、あとは子供服も少しありました。
手作りチラシをポスティングし集客をしてみたものの…

周辺に暮らすお客さんの数もそんなに多いわけでもないエリアだったんですが、最初のうちは物珍しさもあり来店はそこそこ。でもだんだん減ってきます。
オーナーはお金を掛けたくない主義だったので、まずは手書きのフライヤー(小さいチラシ)を作り、セブンイレブンでカラーコピーし、隣町の住宅街でポスティング。原付バイクで通勤してた僕が仕事終わりに配って回ったんです。
フライヤーに割引券をつけていたので、それを持参してそれなりにお客さんが来てくれたものの、やはり大きな伸びはありませんでした。
店用のパソコンを買ってもらいネットを繋ぎウェブ集客を開始!
オーナーは「パソコンなんてようわからへんわ!」というタイプ。でも僕は高校生の時からパソコンオタク(ネットオタク)な一面も持ち合わせてたので、オーナーに
「ホームページを作りましょう!通販機能も無料サービスで設置できるのみつけたし、僕がお金かけずに集客します!元取りますから!」
と、大見得を切り説得。DELLの安いノートPCとYahooの回線を契約してもらい、僕のウェブ集客地獄がスタートしたんです。
まずは無料ウェブスペースでホームページ作り

今時の人は知らないかもしれませんが、2003年ごろは無料のウェブスペースというものがあり、そこを借りるとHTMLファイル(ホームページを表示するプログラム)をアップできたんです。有名なところだとgeocitiesなど。
高校生の時から釣りの日記ページを作ったりしてた僕は、早速ホームページ作成に取り掛かりました。自宅にもパソコンがあったのでボロっちいアパートで1人、ひたすら作成。あわせて無料の通販サービスでショッピング機能とECサイト構築。
この時のゴールは
- ウェブ経由でお店に来てもらう
- ウェブ経由の通信販売(EC及び電話販売)で売り上げる
この2つでした。(当時はゴールとかそんな言葉も考えもなくがむしゃらでしたが…)
内部SEO対策を頑張りまくる日々
ホームページの基礎は無事に完成。いま振り返れば猛烈にダサいんですが、まあいいんです、とにかくできました。
同時にSEOの本を購入し、お客さんがいない間に読みながらひたすらSEO対策。内部施策として見出しタグを使うだとかキーワードを入れるだとか、商品を紹介するページを作るだとか、そういう作業をずーっとしてました。
しかし、なかなか上位表示されずアクセスもなく苦戦。
リンク集サイトに掲載するなどの外部SEO対策も頑張る日々
内部対策だけでは限界があるので、当時よく見かけたリンク集サイト(ホームページの紹介リンクを載せてもらうサイト)に掲載したり、ファッション系のランキングサイトに登録したり。いわゆる外部SEO対策も並行してやってたんです。
すると、徐々にアクセスが増加。しかし…
メールが届けど迷惑メールばかりで鳴かず飛ばずの3ヶ月

ホームページとEC機能を半月程度で立ち上げ、SEO対策などをスタートして3ヶ月くらいたったときです。
ちょうどオーナーが仕入れた商品をお店に持ってきてる時
「カ〜ン!」
という、メールが届いたら電光掲示板が立ち上がるフリーソフトのアラートがなったんです。ただ、当時から迷惑メールはよく来てたので、オーナーが
「お〜、花ちゃん、注文かなwww(どうせ迷惑メールやろ)」
という、毎回おなじみのイジりが入りました。すでに3ヶ月、鳴かず飛ばずのホームページにオーナーは若干呆れてる様子でした。
でも…
ホームページ経由で初めての注文!オーナーとハイタッチ!!

僕も期待せず電光掲示板に目を向けると
【注文のお知らせ】
の文字が…
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!まじか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!オーーーーーーナーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!売れましたよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!
と、大喜びでオーナーに伝え、オーナーも歓喜しハイタッチしたのを今でも覚えてます。リーバイスのデニムパンツとTシャツなどが売れた記憶なんですが、初回から数点売れたことでオーナーも
「試着もせずにようネットで買うな、スゴいわ!時代やで!!これからはネットの時代や!!!」
と手のひらを返したように叫んでました。笑
不思議なもので、それからせきを切ったように注文が入るようになりました。
ビッグワードで1ページ目に入ってた
調べると、「古着 通販」というビッグワードで1ページ目に表示されるようになったんです。
ただでさえネット通販黎明期といえる2003年頃、古着なんてカンタンに売れないだろうと思っていた僕は、過剰に写真をとりまくり、詳しく商品説明をかき、汚れのことやコーディネートのアドバイスなどとにかく色々書きました。
商品に自信はあったので、お客さんに少しでも安心してもらうためです。
必然的に情報量もふえ、独自ドメインですらなかったお店のホームページが上位表示されていました。
ブログを立ち上げ店頭の集客に注力

通販の方は順調に売れ始め一安心。ですが、まだ店頭への集客はそれほど変化がありませんでした。
そこで今度はブログを立ち上げ。エキサイトブログという、アメブロやはてなブログのように無料で使えるブログです。
そのブログでは通販情報と共に、入荷商品の情報や古着に関するうんちくなんかを書き、キーワード的には地域名+古着というようなニッチワードで上位を狙いました。
地域名でも上位表示を達成し、県外からもお客さんがくるように
努力のかいあって見事に地域名でも上位表示。電話での問い合わせが増えてきました。当時、ウェブ以外にも雑誌に広告をだしたりしてたので、そっちの影響ももちろんありましたが、県外(府外)からもお客さんが来てくれるようになったんです。
通販のリピートユーザーが四国から店頭に来店
そして一番驚いたのは、四国の方がホームページを見て通販でリピード買いしてくれるようになり、最終的に店頭まで来てくれたこと。
このお客さん以外にも、ネット検索でお店のホームページやブログをみて来てくれる人が増え、本当に感激しましたし、ネットの凄さを体感しました。
最後に

僕はその後、古着屋をやめてウェブ制作会社に就職し、5年ほど勤務したのち2011年に独立しました。
独立当初はホームページ制作の請負を中心に活動してましたが、ここ2年くらいはウェブ集客のお手伝いに注力。特に、ビジネスブログを活用した小さなお店や会社への集客に力をいれており、ブログ術を指導したりしています。
僕がこの仕事をしてて本当に楽しいと思えるのは、きっとこの古着屋さんでの原体験があるからなんです。初めての注文が入った時のオーナーの歓喜が僕にとって小さなお店や会社おウェブ集客を手伝うことの楽しさのスタート地点。
まさに成功体験と言えます。
おまけ
ちなみに、ビジネスブログ活用の勉強会やサポートをしてると
「すごい!花ちゃんに教えてもらった通りにしたらホームページ(ブログ)から問い合わせが来た!」
と、ほぼ100%のお客さんでわりとすぐに成果が発生するんです。
何故かと言うと、それまではほぼゼロの状態なので、コツを踏まえてちょっと工夫すると反応が出やすいんです。今後はそういう小さなお店のウェブ集客のコツや手法をお伝えしマスターしてもらう勉強会(※)なんかも増やす予定。
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※小さなお店や商売のある方向けなので、アフィリエイターやブロガー向けの勉強会やサポートはしていません